夢・光・音

日々の生活の中で生まれてくる想いや感情を詩や文章などで吐き出そうと思います

別冊NHK100分de名著・亀山郁夫『集中講義 ドストエフスキー 五大長編を解読する』を読んで

こんにちは。

お疲れ様です。starttodayです。

先週は別冊NHK100分de名著・亀山郁夫『集中講義 ドストエフスキー 五大長編を解読する』を読んでいました。

300ページ位の雑誌(本)ですが、約1週間で読んでしまいました。面白かったです。

ドストエフスキーは20代の時によく読んでいました。五大長編も読破しました。あの怒濤のような強迫的な世界観と人間の業を描き切る筆致に圧倒されたことを今でもありありと覚えています。

19世紀ロシア文学を代表する、ドストエフスキートルストイは自分にとっても双璧で、今でも自分の支柱になっています。芸術的で観念的で、理想主義的なトルストイも好きだけれど、年を取るにつれて、分裂した、時に偏執狂的な、業(カルマ)に絡め取られていく人間の弱さとそこに射す、恩寵と救いを描いたリアリスト(現実主義者)としてのドストエフスキーの方により共感するようになってきました。

亀山郁夫はこの雑誌を通して、持論とも言えるけれど、独創的な見解を提示して、新たな読み方にいざなってくれます。ドストエフスキーにも似ているような、強迫的に、畳み掛けるように自説を展開する様は圧倒的であると同時に笑ってしまう何かがあります。それだけドストエフスキーに対する熱量がすごくて、すべての解釈を鵜呑みにするわけにはいかないけれど、それはそれで充実した読書体験でした。

言葉には音楽と同じで、リズムがあって、それぞれの個性があります。媚びたり、そんたくしたり、妥協せず、自分の音楽(リズム)というものを磨いて、個性化させていきたいです。