才能と苦悩は二律背反で、都合良く美味しいところだけもらうということはどうやらできないらしい。
じゃあ、いっそ潔く引き受けようかと安請け合いできるようなものでは本当の苦悩はなく、そこには尋常じゃない痛みと葛藤が伴う。引き千切られるような苦悩を通して、人はどこかに到達し、新たな認識を得る。
そこには口だけのパフォーマンスにはない、厳かさと重みがあり、他を圧倒する何かがある。才能ある人間が脱皮を繰り返していく過程には、有無を言わせぬ迫力があり、そこには常人が軽はずみに手を触れてはいけない何かがある。
この道を行くしかない。今わかっているのは、それだけだ。