なんで君達はわかってくれないの?
僕がこんなに必死になって説明しているのに。
でも、仕方ない。でも、しょうがない。
耳のない人に何を言っても、言葉は届かない。
目のない人に何を見せようとしても、何も見えない。
心のない人に何をしても、何もなす術がない。
黒い目の犬がこっちを見つめている。
その瞳は澄んでて、優しい。
幼い頃の僕みたいだ。
必要以上に思い悩むことはない。
きっとずっと先に、ここに僕が立っていたということを誰かが知るだろうから。
「そいつはインチキじゃなかったから、苦しんでいたんだ」って誰かが言ってくれるだろうから。