私は「文学者」を志している。
私が考える「文学者」とは何か?
それは一言で言えば、現実から逃げずに、受け止めて、言葉というものを通して、ネガティブな現象からポジティブな反動を生み出すということだと思っている。
私から言わせてもらえば、どんなに器用で表現力があろうが、向かっているエネルギーの方向が人間の生命力を弱めるものだったのなら、それは「文学」とは言えないと思う。
現実や人間を怨嗟し、呪詛し、罵倒し、そこからの救済や希望を指し示さないのなら、それは「文学」とは言えないと私は思う。
現実に立ち向かう勇気も、忍耐し、待ち続けられる信念も、短絡的に判断せず、冷静に見極められる知性も、責任を持って、誰も見捨てずに世界を救い取るという気概も愛もないのなら、それは「作家」とは言えないと思う。
私は本物の「作家」になりたいと思う。