ラップを聴いている。ケンドリック・ラマー。ヴァース(韻)を踏んで、マシンガンのように脳に叩きつける。アフリカ・アメリカンとしての鬱積した想い。栄光を手にした男の自己への懐疑。不信と信仰。彼は救われるのだろうか?
正直『DAMN』というアルバムはピリッツァー賞をヒップホップのジャンルで初めて受賞するぐらい歴史に残る素晴らしい作品だが、聴いてて暗くなる部分がある。個人的にはなんとなく救いは見出だせない。
社会的背景がそれらの素地を作ったのだろうけど、人間社会における差別の根深さも同時に感じさせる名盤だ。