夢・光・音

日々の生活の中で生まれてくる想いや感情を詩や文章などで吐き出そうと思います

書きかけの小説からの抜粋「狂気」

「狂気」和也の中には確かにそれがあった。それはいつも忘れた頃に頭をもたげてくる。若い容姿の整った女性に抱きつきたくなったり、女・子供にも容赦なく、老若男女問わず殴りたくなったり、自動販売機や公共物を壊したくなったり、綺麗にディスプレイされたお店の商品をメチャクチャにしたくなったり。そんな衝動が和也を襲うときがしばしばあった。そういう時はリスパダールというイライラ止めの頓服薬を飲んだり、ニルヴァーナやフューネラルフォーアフレンドなどの攻撃的で少々破壊的な音楽を聴いて、心をごまかした。
秩序があって、整然とした現代の街並みや社会(見かけにおいて)が和也を狂気に導いているのかもしれなかった。和也は普段は真面目で品行方正だった。我慢している分、爆発するのかもしれなかった。
理由がどうあれ、今の和也にはどうにもしようがなかった。