俺の夢って何だったんだろう?
美人な奥さんがいて、郊外に一戸建て。車庫には高級国産車。みんなから「先生」と呼ばれ、誰からも一目置かれてる。
それが俺の夢だったのだろうか?
違う。
俺の夢は今でも実現してる。月収13万で、一緒に働いているのはエリートサラリーマンなんかじゃなく、知的障害の個性的な仲間達。彼女は長い間いないし、できそうな気配もあまりない。でも、カウンセラーや美容師さん、行きつけのカフェの店長、そして、社会でうまくやっていけない精神障害を抱えた 不器用な愛らしい愛すべき仲間達が俺を支えてくれている。人から尊敬されてはないけど、愛されている。
俺はたぶんこういう生き方がしたかったんだ。
そして、20歳の時に立てた誓いは優しく微笑みながら、果たされるのを待っている。
きっと夢は叶う。