夢・光・音

日々の生活の中で生まれてくる想いや感情を詩や文章などで吐き出そうと思います

遥か

生きていることはせめぎ合いだと思う。
善と悪の。
喜びと苦しみの。
禁欲と放蕩の。
感情と理性の。
それぞれがせめぎ合い、人生が築かれていく。
時には欲に溺れるのもいい。
絶望的な局面で発狂するのもいい。
至高の芸術体験に身を任せるのもいい。
堅実に設計どおり人生を歩むのもいい。
いろいろな人生があっていい。
浮き沈みに身を委ね、とことん感じればいい。
人生というものを、生きるということを。
どしゃ降りの雨、北から吹きつける突風、恩赦のような陽だまり、打ちおろされる雷鳴、豊かに実る果実、様々な温かい人間関係。
どんなに生きても、どんなに勉強しても人生は究めつくせない。
わかったと思ったら、もうわからなくなっていく。
踏めない影のような追いかけっこ。
それでも僕らは生きていく。
誰かに背中を押されながら。
遥かなものを見つめて。