夢・光・音

日々の生活の中で生まれてくる想いや感情を詩や文章などで吐き出そうと思います

日射しに透かされて、静脈が脈打っている。
日射しを受ける皮膚は前よりも年を取った。
29才はもう若くない、と僕は思う。
若いと言えば若いと言えるかもしれないが、僕はもう若くないと思う。
考え方も変わったし、20代前半と比べれば体力も若干落ちた。
よく言えば、余計なものが取れて気楽に身軽になれたのかもしれないが、悪く言えば、こだわりや気概を失くしたのかもしれない。
でも、誰も時の流れを止めることはできない。
365日過ぎれば、人は嫌でもひとつ年を取る。
そこから、つまり老いることから逃れられた人はいない。
そして、すべての人がいずれ死に、土に還る。
そこから逃れられた人もまたいない。
大きな循環の中で人は生かされてる。
流した水分は土に還り、蒸発し、雲になり、雨となって地に降り注ぐ。
僕達はどこに行くのだろうか?
愚かな争いやくだらないだまし合いをいつまでも続けていくのだろうか?
けれども、アスファルトに反射した鮮やかな日射しや、「キャッキャ、キャッキャ」と砂場で無邪気に遊ぶ子供達は、世界や人間がそんなに愚かしいものでも、唾棄すべきものでもないことを証明している。
どんな数学者や科学者でも理論的に証明できることではないが、世界は宇宙はいつも前へ前へと進んでいるのだ。
僕達が毎日何かに促されて、幸福を追い求め続けるように。
朝になったら、街を光が一瞬で充たすように。